■撮影仕様
体制:フォトグラファー1名|背景紙セット
拘束時間:4時間
納品:92点
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毎年同じ撮影を行っていると、今年はどういう企画なのだろうと思うことが、よくあります。
社長のカットだけにとどまらず、デザインがその会社の製品をモチーフにしていると、
とても良いアイデアだなと思ったります。
デザイナーも、お堅いコーポレートレポートのようなものだと、
デザインをどのようにして良いものか、頭を悩ませているに違いありません。
今回はそんな製紙会社の、コーポレートレポート用の社長撮影のお話です。
事前に背景色の指定が
毎年の話ですが、社長の背景色が異なります。
決して合成で済ましたりせず、紙の背景を用意して撮影を行います。
事前にデザイナーから指定があるのですが、CMYで指定が来ます。
当然ながら、全く同じ色味のものは入手できないので、近しい色の背景を用意します。
数年前の話ですが、製紙会社ですから、紙の色をSDGsに見立てたページデザインが過去にありました。
これはとても良い企画でした。
あぁ、なるほどなとその時は感心しました。
投資家向けに取り組まなけらばいけないことですが、
そこに遊び心があるというのが、素晴らしい発想です。
しかし最近は、社長ポートレートの背景色を変更するにとどめています。
実はそのSDGsページのデザインが同じなため、社長カットだけの変更になっているそうです。
毎回撮れるといいんですけどね。
効率の良いスケジュール
撮影内容は、社長のポートレートと、中ページ用の背景にあたる物撮りの2種類です。
最初に背景のセッティングを行い、テスト撮影などを行いつつ、準備万端にしておきます。
社長が入られてから、10分程度で撮影は終了してしまいますので、
その後社長の出番は終わり、別の方のインタビューに入ります。
通常ですと、ほぼ必ずと言って良いほど、社長のインタビューカットも撮影するのですが、
この会社の場合は、社長のインタビューは無く、製品開発関連の方のインタビューになっています。
その方のインタビューカットも無いのは、もったいない気もします。
カメラマンがすぐそこにいるのに。
サービス紹介やカタログなどとは異なり、写真の点数自体は少ないのはわかりますが、
人は文字からきちんと読み込める人の方が、圧倒的に少ないですので、
一目で情報が入ってくる写真の扱いを、もっと大きくしたほうが良いのにと、常日頃思います。
子供が小説より漫画を見るのは、情報を取り入れやすい部分があるからでしょうし。
見ないところにオシャレ
毎年必ず、紙面の背景のためだけに物撮りを行っているのですが、
これはかなり珍しいケースかなと思います。
デザイナーが、記事の趣旨に見合った背景にしたいということで、
毎回背景用の撮影をしています。
デザイン上は、色をかぶせてしまうので、さらにもったいない感がありますが、
こういう物撮りというのは、かなり珍しいケースかと思います。
これが、自社の商品と全く関係ないものかと思っていたら、
何気に紙製品でしたので、見えないところにオシャレをする感覚の、面白い趣旨でした。
しかし、これは気づかないですね~。
少数でも気づいてくれたらうれしいという、デザイナーの仕掛けなのか。
真実はわかりませんが、カット数が少ない中でも気の利いたことが出来るというのは、
とても素晴らしいと思います。