■撮影仕様
体制:フォトグラファー1名
拘束時間:3時間
納品:4点
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出張撮影でも商品撮影を行うことがあります。
ただし、お客様の会議室に出向くことになりますので、
多くの機材を持ち込むことは難しいです。
難度の高い撮影ほど、繊細なライティングが必要になり、
大雑把なセッティングは出来ません。
そんな環境でもそれなりのことはする必要があります。
今回はジュエリーの撮影で、95%をスタイリングで費やしたお話です。
撮影指示書で想像を膨らませる
お客様は、アートディレクターではありません。
直接クライアントと撮影を行う撮影の場合、ディレクターにあたる方はいないケースがほとんどです。
「こんな種類の商品があって、」
「こんなイメージです。」
これを事前にいただくだけで大きく異なります。
お客様が仕上がりをイメージしているというのは、とても大切です。
中には、どうしてよいかわからないという方もいますし。
なにも無ければ、イメージを探るだけで何時間もかかるかもしれません。
参考写真をイメージとして添えていただき、背景はこんな想定と記載いただいています。
どういう物が何種類あって、おおよそのイメージがあれば、
その意図を解釈して膨らませて行くことが容易になります。
長くて細かいチェーン
メインはジュエリーとバッグのカットです。
サブも同様にジュエリーとバッグで、合計4カットの撮影です。
メインが二つなので、そこまで時間がかからないだろうと、楽観視していました。
ところがメインはジュエリーです。
光り物であることもありますが、実は一番のくせ者は、チェーンです。
長めの細~~~いチェーンがついています。
これがなかなかヤバいやつなのです。
指輪であれば、簡単に立てられますが、
ネックレスのチェーンはそうはいきません。
長いチェーンもさることながら、1個1個の輪が細かいのです。
これが非常に厄介で、表を向いたり、裏を向いたり、
1本綺麗に並べるだけでも5分以上かかるイメージです。
今回は誕生石がモチーフでしたので、12種類を並べていきます。
全部並べて、「こうじゃない」と言われても困るので、
少しずつ確認をしてスタイリングをしていきます。
この1カットだけで約1時間少しでしたが、
内、スタイリングでかかった時間も1時間ほどです。
本当はかかっても40分くらいで終わると思っていたカットも、時間を見誤ることがあります。
ジュエリー関係の場合、どれくらい時間がかかるのかを予測するのは非常に難しいです。
サブカットもなかなかかかる
ようやくメインカットが終わり、サブカットの撮影に移ります。
でもこのサブカット、同じネックレスを使います。
そうすると、チェーンのスタイリングで、同様の時間のかかり方をするのです。
しまった。
これは3時間では終わらないコースかも。
クライアントは、時間かけなくて良いとおっしゃりますが、物理的に時間がかかってしまうのです。
ネックレスの数が2つに減って、小物を置く形でしたので、数が減っただけでもだいぶ違います。
それでも想定していた、倍の時間はかかるものです。
もちろん、お客様が悪いわけでもなく、撮影結果には満足頂いていますが、
こういう落とし穴もあると感じます。
いつも決まった時間の中で行う撮影の場合、
ジュエリーが出てきたら、時間の余裕を持っていただく必要があると実感した案件でした。